研究課題/領域番号 |
19K06503
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
丁 大橋 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所バイオICT研究室, 嘱託 (50359080)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 液液相分離 / 減数分裂 / 染色体対合 / 精製タンパク質 / RNA / ドロップレット |
研究実績の概要 |
相同染色体の対合は親世代から承け継いだ相同染色体が互いを見つけて接着する過程で、正常な対合が相同組換えに不可欠である。相同染色体の相互認識と対合の分子機構を解明するのが本研究課題の究極な目的である。これまでの研究で、染色体上に滞留するlncRNAが相同染色体の相互認識の鍵であることが示唆された。lncRNAを染色体に引き留めるには、Smpタンパク質と呼ばれる複数な転写終結因子が必要である。lncRNAとSmpタンパク質が液液相分離によってドロップレットを形成する。異種類のlncRNAを持つドロップレットが互いに融合できず、同種類のlncRNAを持つドロップレットのみ互いに融合し結果として染色体の対合を促進することから、RNAが対合の特異性を決めることが示唆された。RNA配列とタンパク質の種類によって、どのようにドロップレットの性質が変わるかを解析するために、試験管内にドロップレットを再構成することを試みた。その結果、Smpタンパク質のうち、Seb1タンパク質単独でも相分離し、試験管内にドロップレットを形成できることが分かった。Seb1タンパク質にRNAを10nM程度加えると、Seb1ドロップレットの形成が大きく促進されて、しかもRNAがドロップレットに濃縮される。Seb1-RNAドロップレットをFARP (光褪色後蛍光回復法)で解析すると、異なるRNA種類を含むドロップレットが異なるFRAPプロファイルを示すことから、RNAの種類によってドロップレットの物理化学性質を決定されることが分かった。さらに、同じRNAを含むドロップレット同士がお互い融合しやすい傾向を示すことから、相同染色体相互認識のメカニズムが転写されるRNAとSeb1などSmpタンパク質から作られる染色体上のドロップレットが大きいな役割を果たすことがほぼ確実になった。現在発表論文を執筆中。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実験に多くの精製タンパク質が必要であること、その精製過程で多くの時間を費やし、結果として実験が予定より遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
今すべての実験が完了し論文を書く段階である。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文が完成できなかったため、論文作成及び投稿に必要な費用が繰越金として残った。次年度に論文作成及び投稿に使用する予定。
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