研究課題
基盤研究(C)
IGHV1-69由来リウマトイド因子(RF)であるYES8cとTS1,IGHV3-30由来RFであるRF-SJ1について,Fv-claspの形式で小型化し大量調製系を確立した。YES8cについてはFabと同様の結合性を示した。一方でRF-TS1のFv-claspはELISAとSPR解析で異なる結合性を示した。H鎖とL鎖の間の親和性が弱いことに起因する,抗原認識メカニズムである可能性が示唆される。またYES8cについて,L鎖のN末端が抗原認識に関わることが示唆された。
タンパク質科学,構造生物学,生物物理学
ステレオタイプリウマトイド因子(RF)の元になる抗体の生殖系列遺伝子は、ウィルスや細菌毒素の中和抗体として頻繁に使われることが分かっており、慢性炎症と密接に関係していると言われている。ステレオタイプRFの普遍的な分子認識メカニズムを構造学的に明らかにすることで、慢性炎症から発展する種々の血液疾患に適した治療法の開発などに有益な情報をもたらすことが期待できる。