研究課題
基盤研究(C)
水素の合成と分解を可逆的に触媒する唯一の酵素と知られるヒドロゲナーゼは、燃料電池の電極触媒や人工光合成における水素合成触媒としての応用が期待されている。本研究では、Ni-Feクラスターを活性部位にもつヒドロゲナーゼのうち水素合成とプロトン輸送に特化した酵素を研究対象とした。酸素に弱い膜内在性のタンパク質であるため、最初は解析に十分な量と質の試料を調製することができなかったが、精製を効率よく行うための遺伝子組換え体を作製することによって、この問題克服することができた。
構造生物学
今回研究対象とした水素合成酵素は酸素に弱い膜タンパク質複合体であり、かつ複雑な金属クラスターをもつため大腸菌などの大量発現系によって調製することができない。本研究では、このような高難度タンパク質の解析を可能にするための技術開発を行うことに成功したが、この技術は燃料電池の電極触媒や人工光合成における水素合成触媒作製への応用が期待される。