真核生物のゲノムDNAは、ヌクレオソームを最小単位としたクロマチン構造をとることにより細胞核内に収納されている。クライオ電顕解析は、近年様々な技術革新が行われてきたが、急速凍結試料グリッド作製には、複合体の安定化や凍結条件の最適化など試料ごとに多くの課題が残されている。本研究課題では、クライオ電顕を用いたクロマチン構造解析における急速凍結試料作製の効率化、高品質化のため、クロマチン基盤膜グリッドの作製を目的としている。研究実績として、グリッド上の基盤となるグラフェンシートをグリッドに貼り、ヌクレオソームを吸着させることでグリッド上で濃縮および安定化させることに成功した。
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