研究課題/領域番号 |
19K06525
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
島 扶美 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (60335445)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 分子動画 / がん遺伝子産物 / X線自由電子レーザー / X線結晶構造解析 / 核磁気共鳴法 / シグナル伝達 |
研究成果の概要 |
低分子量G蛋白質RasはGTP結合型(活性型)とGDP結合型(不活性型)を行き来しながら細胞内シグナル伝達を制御する。Rasは医薬品開発の恰好のターゲットであるが医薬品開発成功例が極めて少ない。その原因の一つとして、RasのGTP加水分解機能に関連する薬剤結合領域の構造ダイナミックスが挙げられる。本研究では、Rasの基質として光制御可能なGTPアナログを用いてSACLA/Spring-8/NMRによる時分割構造解析を行った。その結果、これまで未解明であった天然型GTP結合型RasからGDP型に至る原子スケールでの分子動画の一部撮影に成功し、新たな創薬領域を開拓する可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
分子生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Rasの機能攻略の難易度の高さの一要因として、他の抗がん剤の標的の薬剤結合ポケットにはない大きな揺らぎ=開閉運動の存在があげられる。ここでは、申請者が同定したリード化合物(特許取得済)の効率的な構造最適化を可能にするために、最新鋭のX線自由電子レーザー施設SACLAとPring-8をフル利用し、従来技術では解析困難だったRasの活性制御に直結した薬剤結合ポケットの開閉運動の構造ダイナミクスを原子スケールで解明する。Rasの構造・活性変化の世界初の原子レベルでのコマ撮り動画が作成できれば学術的インパクトは大きく、Ras阻害剤の構造デザインに活用できれば、健康社会への貢献も極めて大である。
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