研究実績の概要 |
KaiA, KaiB, KaiCとATPからなるシアノバクテリアの生物時計について、KaiCのリン酸化サイクルの周期長が200気圧では約8時間短縮することを見出し、KaiCのATPase活性の増加と周期長の短縮が相関することを突き止めた(代表者らSci. Rep. 2019)。今年度、①超高磁場、高感度NMR装置を用いることにより、31P-NMRによりS431, T432のリン酸化状態の圧力依存性を観測すること、②200気圧以上におけるKaiCリン酸化サイクルの周期長とKaiC ATPase活性、リン酸化活性の測定を目的に研究を行った。①に関して、Synechococcus elongatus PCC 7942シアノバクテリアのKaiCを用いて31P-NMRの測定を試みたが感度が不十分でS431, T432の検出に至らなかった。年度途中より溶解度が高い好熱菌Thermosynechococcus elongatus由来のKaiA, KaiB, KaiCの作製に着手した。KaiA, KaiB, KaiCの溶解度を上げるために溶液条件についてもさらに検討を行った。②に関して、300気圧及び400気圧でリン酸化サイクルの周期長とATPase活性を測定した。加圧下の周期長とATPase活性に相関を見出した。
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