| 研究課題/領域番号 |
19K06534
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| 研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
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研究代表者 |
堀 哲哉 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 専任研究員 (20344054)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | GPCR / インバースアゴニスト / ベンズアミジン |
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| 研究実績の概要 |
クラスA Gたんぱく質共役型受容体（GPCR）は、ヒトゲノム中に300種弱存在し、多くが創薬ターゲットとなり得る。クラスA GPCRの膜貫通ヘリックス構造内部に存在するNa+-水分子クラスターによって、クラスA GPCRの立体構造を安定化される。Na+-水分子クラスター結合部位に結合して同クラスターの作用を模倣する官能基を持ち、かつ隣接する内在性作動薬結合部位へ結合して当該GPCRへの特異性を発揮できる官能基を持つ化合物は、各クラスA GPCRに特異的な逆作動薬となりうる。我々は、ベンズアミジン派生基は、Na+-水分子クラスターの作用を模倣する官能基となることを提唱している。
昨年度まで、ベンズアミジン派生物がGPCRの基底状態の活性を抑制するか否かを確認するための実験を行った。具体的には、196種のGPCR、7種のベンズアミジン派生物を対象に、それぞれのベンズアミジン派生物が各GPCRのGタンパク質活性能を抑制するか否か確認するための細胞実験である。本年度はそのデータ処理を行った。まず、196種のGPCR中、156種のGPCRでリガンドが無い状態でのGタンパク質活性能（基底状態の活性）が確認できた。156種のGPCRに対して、149種（95.5%）のGPCRで少なくとも１つのベンザミジン派生物によりGPCRの基底状態の活性は抑制された。Na+-水分子クラスター結合部位のアミノ酸配列や内在性リガンドの違いに対してベンズアミジン派生物の選択性は確認できていない。この結果から、多くのクラスA GPCRの基底状態の活性はベンズアミジン派生物により抑制できることが明らかになった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験データの整理・考察が進んだ。
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| 今後の研究の推進方策 |
概要で述べたのは一種類のアッセイによる結果である。今後GiおよびGs共役GPCRに関してはcAMP検出実験により、ベンズアミジン派生物がGPCRのGタンパク質活性を抑制するか否か確認する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度は昨年度までに行った実験データの整理・解釈に専念したため
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