構造ベースの粗視化MDは全原子MDに比して計算コストが軽く生体分子の長時間動態の調査に適している。しかし全原子MDに比べて力場精度が低く、相互作用に関連するモデルパラメータに曖昧さが残る問題が存在する。また、力場構築の際に活用する参照構造周辺にサンプリング構造がトラップされる傾向がある。 これらの問題を解消する為、短時間の全原子MDで得られた動的揺らぎの情報と機械学習手法を組み合わせた新しい粗視化分子シミュレーション技法を構築した。この手法を適用する事で、大きな蛋白系の多様な構造アンサンブルを従来の全原子MDや粗視化モデルに比して効率的かつ探索的にサンプリングする事に成功した。
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