がん細胞では細胞接着分子インテグリンが活性化し、細胞の増殖と運動を高め、がん悪性化の原因となる。一方で様々ながん種において、ユビキチン化酵素Nedd4Lの発現低下とがん悪性化の相関が指摘されているが、詳細は不明であった。本研究ではNedd4Lの発現低下がインテグリンα5β1の機能亢進を導くという直接的な結果を得た。さらにEGF受容体がNedd4Lの活性制御に関わることを明らかにした。ある種のがんではインテグリンとEGF受容体が協調的に働くことが報告されている。本研究成果はこれまで不明であったがんにおけるインテグリンとEGF受容体のクロストークを解明する手がかりになると期待される。
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