ヒト細胞には、細胞周期制御や細胞死を誘導することで増殖抑制に寄与する経路が存在する。本研究は、癌の増殖抑制に寄与するp38に着目しその動態と細胞機能との対応を明らかにすることを目的とした。新規のp38活性レポータおよび光遺伝学的p38制御系の開発を進めた結果、光照射なしに高効率にシグナル検出を可能にする新規レポータの構築と、光遺伝学的p38操作系の構築に成功した。そこで、培養癌細胞における単一細胞レベルの可視化解析を行ったところ、特に結腸癌由来細胞株において、抗がん剤により活性化されるp38活性と細胞死との間で時間的な関連が見出された。
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