研究課題/領域番号 |
19K06550
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
和田 俊樹 (矢部俊樹) 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10451634)
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研究分担者 |
海野 昌喜 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (10359549)
小内 伸幸 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50323605)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | サイトカイン / 蛋白質輸送 / 好酸球 |
研究実績の概要 |
免疫細胞から産生される炎症性サイトカインの分泌制御は,適切な炎症応答のバランスを保つうえで極めて重要である.これまで,マクロファージや樹状細胞,好酸球などに強く発現しているSortilinが様々なサイトカインと相互作用し,形質細胞様樹状細胞におけるIFN-αの細胞外への輸送に重要な役割を果たすことを明らかにしてきた.最近見いだした,Sortilinと強く結合するリガンドXとSortilinとの機能相関を理解するため,リガンドXを強く発現するとともに,Sortilinを強く発現するアレルギーエフェクター細胞である好酸球で,その機能解析を、細胞レベル及びコンディショナルノックアウトマウスを用いた個体レベルにて明らかにすることを目指す.更に,SortilinとリガンドXの複合体構造をX線結晶構造解析にて,Sortilinのリガンド認識機構を原子レベルでも明らかにすることで,Sortilinの好酸球における機能を,原子レベルから個体レベルで明らかにすることを目指す. 今年度は,Sortilinのリガンドの一つであるIFN-αに関する構造解析に関する結果を得た.これまでIFN-αの構造に関して,側鎖情報を含む詳細なものは,受容体との複合体か2量体の構造しか無く,単量体の構造は報告されていなかった.そこでマウス由来のものに関して結晶構造を決定した.得られた構造情報を用いてドッキングシミュレーションを行い,IFN-α上のSortilinと相互作用に重要かつ進化的によく保存されていたアミノ酸残基を推定し,変異体を用いた細胞からの分泌活性を測定することで,Sortilinに依存したIFN-α分泌に重要なアミノ酸を決定した.並行し,Sortilinの好酸球特異的Sortilin欠損マウスを利用し,解析を行ったところ,興味深い結果を得られた.加えて,Sortilinの炎症性疾患との関わりをより理解するため,新たなコンディショナルノックアウトマウスを作出し,腸炎モデルでの解析を行ったところ,興味深い結果が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リガンドXの精製条件確立に時間を要している.もう一つのリガンドであるIFN-αに関しては,決定した単体の結晶構造から,ドッキングシミュレーションとIFN-α上のSortilinと相互作用に重要な残基,Arg22を変異体との相互作用解析で決定し,論文発表を行った.世界的に蔓延しているCOVID-19の影響により,海外から導入手続きを進めていた遺伝子改変マウスの飼育開始と,交配,解析を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
結晶構造解析についてはこのまま進める.機能解析については,コンディショナルノックアウトマウスを用いた解析を進める.また,COVID-19パンデミックによる影響で遅延しているマウスの交配がほぼ終了したので,速やかに解析へと進める.新しいコンディショナルKOマウスで得られた腸炎モデルの結果を精査し,より詳細な解析を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19パンデミックによる影響で,マウス輸送と作出に遅延が生じた.次年度では,遅延した解析の遂行に予算を使用する予定である.
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