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2022 年度 実施状況報告書

新規有用タンパク質のライブラリ構築と高速スクリーニング系の基盤確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K06555
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

横田 亜紀子  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (20415764)

研究分担者 野田 尚宏  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (70415727)
研究期間 (年度) 2020-02-01 – 2024-03-31
キーワードw/oエマルション / 変異ライブラリ
研究実績の概要

本研究においては、変異ライブラリと、w/oエマルションを利用したスクリーニング系を組み合わせ、目的機能を有する有用タンパク質を迅速かつ簡便に探索する新しい手法の構築を目指している。今年度も、昨年度に引き続き、機能評価や変異効果の検出が比較的容易と考えられる蛍光タンパク質を用いたスクリーニングのモデル系の構築を試みた。昨年度、試行錯誤の末に蛍光タンパク(野生型)を発現する組換え大腸菌の作製に成功したが、これを出発点として、蛍光タンパクの変異ライブラリの構築を試みた。ランダム変異を導入して30クローンほどサンプリングして配列を確認したところ、多種多様な変異が導入されており、変異ライブラリの調製に成功したことが確認できた。そこで、この変異ライブラリをw/oエマルションに封入・培養し、クローンの特性の違い(変異効果)を、それらが発する蛍光の違いとしてソーティングできるかどうか、について検討を行った。個々のクローン(菌体)の特性を観察するために、1 エマルション当たりの封入菌体数が1以下(複数のクローンが混在しないように、シングルコロニーもしくは空)になるように菌体濃度を調整してエマルションに封入した。封入直後では、顕微鏡でもソーターでも蛍光は検出できず、培養開始から2日後に、ようやく蛍光の検出が可能となった。これは菌体1細胞の状態(封入当日、培養0日)では蛍光の検出が難しいことを意味している。次に、この培養開始2日後のエマルションを蛍光強度の違いでソーティングし、回収したエマルションを顕微鏡で観察した。その結果、1)蛍光を発する菌体が封入されたエマルション群、2)蛍光を発しない菌体が封入されたエマルション群、3)空のエマルション群、の3つに分離できることが分かった。次の段階として、変異導入の効果を蛍光強度や蛍光波長の変化として検出可能かどうかの検証を進めたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は、当初、予定していなかった別の業務が研究代表者に発生してしまったこと、実験補助員の雇用期間が当初の予定よりも短くなってしまったこと、など、想定外のマンパワー不足により実験が進まなかったことが挙げられる。ただし、研究そのものは、比較的順調に結果が出始めているので、もう1年間、期間を延長することで、さらに成果を積み上げたいと考えている。

今後の研究の推進方策

「研究実績の概要」にも記載したように、今年度に得られた実験データと知見を活かして、蛍光タンパク変異ライブラリの組換え大腸菌を用いて、変異導入の効果を蛍光強度や蛍光波長の変化として検出することを試みる。エマルション(ドロップレット)に封入した状態で、ドロップレットソーターシステムあるいはドロップレットセレクターシステムを用いて、目的機能を持つクローンの分離・選択に挑戦し、高速スクリーニング系の構築を進めていきたいと考える。また、昨年度、変異導入クローンの取得に成功した配列特異的エンドリボヌクレアーゼについても、アッセイ系の構築や機能評価に関する検討を進めたいと考える。

次年度使用額が生じた理由

学会への参加を見合わせたため、それに係る参加費や旅費が発生しなかったこと、補助員の雇用を計画していたものの、諸事情により雇用期間が短くなってしまい人件費に余剰が生じたこと、などの理由から、次年度使用額が生じた。次年度の使用計画としては、実験の消耗品や、成果発表のための原著論文の校閲費や掲載料、学会への参加費や旅費などを予定している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 配列特異的エンドリボヌクレアーゼMazFのライブラリ構築とその応用可能性2022

    • 著者名/発表者名
      横田 亜紀子、宮本 龍樹、大田 悠里、釣賀 雅子、葵 理恵、石塚 寛子、岡部 拓真、江 雨濃、常田 聡、野田 尚宏
    • 学会等名
      産総研・産技連LS-BT合同研究発表会
  • [学会発表] Function analysis of type II toxin-antitoxin MazEF in symbiotic thermophile S2022

    • 著者名/発表者名
      江 雨 濃、石塚 寛子、葵 理恵、岡部 拓真、横田 亜紀子、野田 尚宏
    • 学会等名
      The 14th Japan-China-Korea International Postgraduate Academic Forum
    • 国際学会
  • [学会発表] 極限環境微生物Candidatus Desulforudis audaxviator MazFの高度に保存されたアミノ酸の役割2022

    • 著者名/発表者名
      石塚 寛子、釣賀 雅子、野田 尚宏、横田 亜紀子
    • 学会等名
      第74回日本生物工学会大会
  • [学会発表] 極限環境微生物由来トキシンタンパクMazFの高温下における機能および安定性の評価2022

    • 著者名/発表者名
      石塚寛子、江 雨濃、岡部 拓真、横田 亜紀子、野田 尚宏
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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