研究課題
本研究の目的は、変異ライブラリとw/oエマルション等を利用したスクリーニング系とを組み合わせ、目的機能を持つ有用タンパク質を迅速かつ簡便に探索する手法を構築することである。最終年度は、過年度と異なるタンパク質を新たな対象分子として、その活性評価のための検出系の構築に取り組んだ。具体的には、活性評価のストラテジーの設計、活性検出用の試薬やプローブ類の調査・選定を行い、マイクロプレートおよびw/oエマルションを用いた活性検出の予備検討を実施した。現段階では未完成であるものの、この検出系は、同様の活性を持つ他のタンパク分子にも幅広く適用可能であり、非常に汎用性が高い技術であるため、今後も研究を続けていく予定である。また、その他の成果としては、過年度において取得したタンパク分子について、詳細な機能の解析を進め、当該分子の産業応用化において重要な知見を得ることができた。研究期間全体を通じての成果としては、蛍光タンパク質の変異ライブラリの作製とそのスクリーニング系の構築が挙げられる。蛍光タンパク質は様々な研究分野において使用されており、新しい性能・特徴を有する分子の開発や、既存分子の機能改変に対する需要は大きく、それらを実現する可能性を持つ本研究は非常に有意義であると言える。その他、配列特異的エンドリボヌクレアーゼの変異ライブラリの作製にも成功している。本分子は、遺伝子工学におけるツールとしての利用や、核酸医薬品の品質管理の一助となるRNA分析技術への応用が期待されるが、大量生産が難しいなどの課題点がある。今後は、作製したライブラリを基盤として、安定的に発現するタンパク分子(変異体)の取得を目指す、などの展開を検討していきたい。
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Journal of Biological Chemistry
巻: 300 ページ: 105636~105636
10.1016/j.jbc.2024.105636
Toxins
巻: 16 ページ: 81~81
10.3390/toxins16020081