本研究は、神経膜タンパク質Elfnによる7回膜貫通型受容体である代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)の制御機構を明らかにすることを目的とした。Elfn1と2は、それぞれ特異的なmGluRの局在を制御し、グルタミン酸神経の機能を調節すると考えられる。てんかんやADHD患者ではElfn1のミスセンス変異が認められており、ミスセンス変異によりElfn1の膜動態(再利用・分解)が異常になることが明らかとなった。Elfn1、2のKOマウスは、いずれもADHD様の異常を示す。Elfn2 KOマウスは、恐怖条件づけ学習試験で低い成績を示し、mGluR標的薬の応答性が野生型と異なることが明らかとなった。
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