研究課題
基盤研究(C)
コラーゲンを摂取したり、炎症等で組織が損傷したりすることにより、水酸化プロリンを含むオリゴペプチドが血中に生じること、これらのオリゴペプチドが生理活性をもち、損傷修復や炎症制御に寄与していることが知られている。本研究では、代表的なコラーゲン由来のオリゴペプチド、プロリン-水酸化プロリンジペプチド(Pro-Hyp)と相互作用する分子を同定し、その作用機序解明を試みた。その結果、Jakキナーゼややスフィンゴシン1リン酸受容体(S1PR)がPro-Hypと会合し、活性が亢進することを見出した。
免疫学、生化学
近年、経口摂取したコラーゲンペプチドが、アミノ酸レベルまで分解されることなく、オリゴペプチドとして吸収されること、これらオリゴペプチドが細胞の分化や増殖に影響を与え、損傷修復や炎症制御に関与していることが示されるようになってきた。しかしながら、その作用機序がほとんど解明されていなかったため、コラーゲン分解産物の生理活性に対して懐疑的な意見も多い。本研究により、具体的な標的分子が示されたことで、コラーゲンペプチドの効果に科学的な根拠を与えることができたと考えられる。