研究課題/領域番号 |
19K06573
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
江藤 真澄 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (20232960)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ホスファターゼシグナル / 酵母ツーハイブリッド / BioID法 |
研究実績の概要 |
初年度に引き続き、3つの研究項目を含む研究計画に大きな変更なく2年目の研究を実施した。研究項目1に記載した機能未知であるPHI-1のN末端ドメインの生理的な機能を検証するために、酵母ツーハイブリッド法を立ち上げて標的酵素PP1とPHI-1変異体の相互作用を検証した。最適化したツーハイブリッド条件ではCPI-17とPP1、またInhibitor-2とPP1の相互作用を観測できたがPHI-1とPP1の相互作用は観測されなかった。従って非リン酸化PHI-1はそのN末端ドメインを介してPP1と相互作用できないこと、およびPHI-1をリン酸化できるキナーゼは酵母細胞内には十分に発現していないことが明らかとなった。同時に、BioID法を用いた動物細胞発現システムの立ち上げも進めており、現在までに変異体やコントロールを含めて必要なDNAベクターの構築を完了した。また、細胞外にてリン酸化したリコンビナントタンパク質も標的探索に用いることができるようにバクテリア発現系も用意した。研究項目2に記載したsiRNAを用いたgene silencing実験では、PHI-1の発現量の最も多い細胞系の発現を強制的に抑制すると細胞の形態と性質に大きな変化を誘引することを見いだした。研究項目3に記載したPHI-1を介したサバイバルシグナルの解析では抗がん剤ストレスに対する反応を解析した。計画通り、最終年度において表現系の変化と分子標的解析結果を合わせて考察し、PHI-1を介した新しいホスファターゼシグナルを確立する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は感染症に対する学部内安全性確保のために予定外の研究時間を割かれた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も依然として予定していたスピードで研究を進めるまでに学部内の状況が回復していないが、行った研究の結果から新しい証拠が集積しつつあり、計画通りに研究を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に生じたパンデミック拡大状況下における学部教育研究の安全性確保のために予定外のエフォートを使わなければならず、若干研究が遅れたために予算執行が遅れた。現在状況が改善されつつあるので、今年度は研究計画通り実施できると期待している。
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