TIA-1は、プリオン様ドメイン(PLD)を介して自己組織化する機能を持つ。TIA-1のPLDには、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患に関連するアミノ酸変異が同定されている。本研究では、これらの変異が引き起こす病態構造を明らかにした。NMR解析では、PLDの動的構造がアミノ酸の物理化学的性質によって決定されることを明らかにした。分子動力学計算と結晶構造解析では、ALS変異であるP362LとA381Tがそれぞれbシート相互作用と高密度な凝縮集合を誘導することを明らかにした。以上の結果は、これらの変異が液滴形成後の病原性アミロイド線維化の可能性を高めていることを示唆している。
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