ステロイドX受容体は、骨粗鬆症治療薬の標的タンパク質である。また、脂溶性ビタミンと結合することで活性化され、凝固ゲル中結晶とヘテロ2量体を形成し骨形成に関与する遺伝子発現を誘導する転写因子である。本研究では、凝固ゲル中結晶の分子認識機構の構造基盤を解明するため凝固ゲル中結晶の発現・精製および結晶構造解析を行った。各種脂溶性化リガンドとステロイドX受容体の複合体結晶を得るため、凝固ゲル中結晶に適用できない等の課題のある凝固ゲル中結晶化法の改良を行った。その結果、改良した本方法を用いることで不安定なステロイドX受容体を熱変性させること無く高品質な凝固ゲル中結晶の育成に成功した。さらに、本凝固ゲル中アポ型ステロイドX受容体結晶を50%ジメチルスルホキシド含有水溶液に溶解させた高濃度脂溶性リガンド溶液中へソーキングさせたところステロイドX受容体複合体結晶の取得に成功し複合体構造を明らかにした。
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