偏光蛍光相関分光測定(Pol-FCS)と動的光散乱(DLS)を同時測定する装置を開発し、液-液相分離(LLPS)状態にあるタンパク質の動態を明らかにすることを目的とした。 実際にPol-FCSとDLSを同時測定可能な装置の開発に成功したが、Pol-FCS測定に適した濃度で蛍光標識タンパク質を含むLLPS状態の試料の調整が困難であった。そこで、LLPSと同様に高密度で高分子が存在する高分子混雑状態の溶液や生細胞内の混雑状態を定量評価した。この結果、蛍光タンパク質の並進拡散と回転拡散動態の比較によって、蛍光タンパク質周辺のナノ環境の混雑具合を定量評価できることを実証することに成功した。
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