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2020 年度 実施状況報告書

代謝調節におけるインプリント遺伝子の役割と進化的意義について

研究課題

研究課題/領域番号 19K06607
研究機関群馬大学

研究代表者

森田 純代  群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (40589264)

研究分担者 堀居 拓郎  群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (00361387)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードゲノムインプリンティング / 白色脂肪 / 褐色脂肪
研究実績の概要

代謝調節におけるインプリント遺伝子の役割と進化的意義について
哺乳類において父親由来のゲノムと母親由来のゲノムは機能的に等価でない。これはゲノムインプリンティング(ゲノム刷り込み)が存在し、インプリント遺伝子という父親由来アレル特異的あるいは母親由来アレル特異的な発現を示す遺伝子が存在することによる。インプリント遺伝子の進化的意義については胎児の大きさをめぐる父方、母方アレルの間に利益相反があるというHaigの綱引き説が有力である。それは父親としては胎児の体が大きく成長するほうが有利であり、母親としては胎児が大きく成長しすぎると母体が不利益を被るというものである。これまでに私達はこの説を「肥満と痩せ」にまで発展させ、白色脂肪におけるインプリント遺伝子の発現と体重の関係において、父性発現と母性発現インプリント遺伝子の役割の明らかな差を見出した。本研究ではさらにこの説を検証するた
め、エネルギーを消費し、肥満に関連する褐色脂肪細胞およびベージュ脂肪細胞におけるインプリント遺伝子の発現解析を行う。これらのインプリント遺伝子のなかで、また体重と相関があり、その機能が未知である遺伝子についてコンディショナルノックアウトマウスを作製し、肥満または痩せに関与するかを調べる。このようにして褐色脂肪、およびベージュ脂肪細胞における代謝調節(熱産生)においてインプリント遺伝子がどのような役割をもつのかを明らかにし、ゲノムインプリンティングの生物学的・進化的意義について考察する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

通常気温飼育マウスと寒冷刺激飼育マウスの褐色脂肪について父性発現・母性発現インプリント遺伝子の発現変動を調べている。また現在までに得られたデータの再現性を確認しているところである。
上記の発現解析により重要と思われるインプリント遺伝子についてコンディショナルノックアウトマウスを作製中である。

今後の研究の推進方策

通常気温飼育マウスと寒冷刺激飼育マウスの褐色脂肪について父性発現・母性発現インプリント遺伝子の発現変動を確認する。
さらに褐色脂肪細胞だけでなく、白色脂肪細胞・ベージュ細胞についても解析を行う。
発現解析により重要と思われるインプリント遺伝子についてコンディショナルノックアウトマウスを作製していく。

次年度使用額が生じた理由

使用予定の試薬等を節約することができたため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Calcium-Free and Cytochalasin B Treatment Inhibits Blastomere Fusion in 2-Cell Stage Embryos for the Generation of Floxed Mice via Sequential Electroporation2020

    • 著者名/発表者名
      Horii Takuro、Kobayashi Ryosuke、Kimura Mika、Morita Sumiyo、Hatada Izuho
    • 雑誌名

      Cells

      巻: 9 ページ: 1088~1088

    • DOI

      10.3390/cells9051088

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Successful generation of epigenetic disease model mice by targeted demethylation of the epigenome2020

    • 著者名/発表者名
      Horii Takuro、Morita Sumiyo、Hino Shinjiro、Kimura Mika、Hino Yuko、Kogo Hiroshi、Nakao Mitsuyoshi、Hatada Izuho
    • 雑誌名

      Genome Biology

      巻: 21 ページ: 1-17

    • DOI

      10.1186/s13059-020-01991-8

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] dCas9-SunTagシステムにおいてTET1とVP64を用いた特定遺伝子の相乗的発現誘導法の開発2020

    • 著者名/発表者名
      森田純代、堀居拓郎、木村美香、畑田出穂
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] CRISPR/Cas9ゲノム編集を応用したTET1とVP64による特定遺伝子の相乗的発現誘導法の開発2020

    • 著者名/発表者名
      森田純代、堀居拓郎、木村美香、畑田出穂
    • 学会等名
      第14回 日本エピジェネティクス研究会年会

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公開日: 2021-12-27  

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