研究課題
基盤研究(C)
生活習慣病の発症は環境要因に誘発させた組織間の相互作用の異常に起因すると捉えることができる。エピゲノム修飾酵素 (JMJD1A) のノックアウトマウスの解析から、(1)寒冷刺激下での白色脂肪組織における熱産生遺伝子の発現誘導にはエピゲノム変化が重要な事、(2)脂肪組織から分泌されるレプチンに対する脳視床下部の感受性はエピゲノム酵素により制御されることを明らかにした。以上より、生活習慣病の発症に関わる組織間の情報伝達とエピゲノム制御の一端が解明された。
ゲノム生物学
エピゲノムは外的環境に依存して後天的に書き換えられる遺伝情報である。生活習慣や食習慣などの環境要因はエピゲノムとして細胞に記憶され、脂肪を蓄積あるいは燃焼しやすい体質を作ったり、食欲の制御に働いていると考えられる。本研究では、脂肪を燃焼する体質がエピゲノムによって制御されること、エピゲノム修飾酵素が食欲の抑制に働いていることを明らかにした。本研究で得られた研究成果は、生活習慣病の予防・治療への足がかりとなる。