DNA損傷チェックポイントクランプ9-1-1(Rad9-Hus1-Rad1)はDNA損傷時に多面的に働く。本研究では、最も重篤なDNA損傷、二本鎖DNA切断(DSB)時の9-1-1の役割を解析した。9-1-1は、別の多機能因子Mre11-Rad50-Nbs1(MRN)と重複して、損傷に応答したシグナル伝達経路を活性化することや、相同鎖を利用したDNA修復の初期過程である削り込み反応を促進すること、またそれらの反応の鍵となる因子と分子機構を明らかにした。本研究は、9-1-1及びMRNが損傷応答活性化と削り込み反応を同時に行うしくみや、削り込みに伴う損傷応答経路遷移のしくみの理解に貢献した。
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