ヒストンシャペロンといわれているDNA複製因子のDpb3-Dpb4やMcm2のN末端領域(Mcm2N)は、本研究における生化学的解析においては、ヌクレオソーム形成能を示さなかった。Mcm2Nとヒストンとの相互作用をプルダウンアッセイで調査したところ、ヒトのMcm2についての報告と同様に、ヒストンH3-H4に強い親和性を示した。また、Mcm2Nとヌクレオソームとの相互作用は全く検出されなかった。このことは、ヌクレオソームの内部に位置するヒストンにはMcm2Nはアクセスできず、複製フォークの進行により解離した鋳型鎖ヌクレオソームから遊離したヒストンをMcm2Nが捕捉しうる特徴を示唆される。
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