研究課題
心筋の電子顕微鏡画像内のミトコンドリアと筋原繊維および周辺組織を対象として、目視による組織の分類情報を付与した矩形領域(ROI)を多数切り抜いた学習用データセットの整備を進めた。また、画像内のピクセル値(色の濃淡)と組織の種類との間に一定の相関があることを前提として、ピクセル値の分布に合わせて赤色から青色までのグラデーションを異なった組織が互いに強調されるように割り当てることによってモノクロの電子顕微鏡画像を擬似カラー化するソフトウェアを開発した。割り当てた色情報を援用した分類情報の付与や特定の組織を対象とした二値画像を生成する際の閾値の決定などに用いることが可能となっている。目視での組織分類や手動での領域抽出とそれらの間の数値的な評価を相互に繰り返すことによって学習用データセットの構築を進めた。後続の解析の初期解として使用できるデータセットを整備した。ショートリード全ゲノムシーケンシング(WGS)解析パイプラインの更新を行った。Broad Instituteによるワークフローに準拠した生殖細胞系列の一塩基変異(SNV)と短い挿入/欠失(Indel)の検出を行う情報解析パイプラインの整備を進めた。BWAとGATKによる参照配列へのマッピングと変異検出を行い、シーケンサ出力のFASTQ形式データからVCF形式データを生成する。得られた塩基の品質スコアの再較正(BQSR)や検体群内の複数の検体を対象としたジョイントコールを行うように構成されている。ジョブ管理システムが整備されていない環境でもCPUコア数やメモリ量に合わせて効率良い処理が可能になっている。DNA配列の変異情報は、開発済みの連鎖不平衡ブロック(LDブロック)抽出ソフトウェアを用いて検体群内での変異パタンの類似関係を辿れるようにデータ構造化が可能になっている。実際の臨床検体の解析も行えるような環境を整備した。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Computational and Structural Biotechnology Journal
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JCI Insight
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