研究課題
基盤研究(C)
特定のG蛋白質共役型受容体が1次繊毛に局在する機構を解明するために、セロトニン6型受容体の繊毛局在を促進する分子を探索した。酵母two-hybridスクリーニングにより、同受容体の繊毛局在にとって重要な第4細胞内ドメイン内の領域と結合する分子としてγ-アダプチンを見出した。γ-アダプチンのノックアウトhTERT-RPE1細胞での局在の解析によって、セロトニン6型受容体は、第4細胞内ドメインへのγ-アダプチンの作用により、1次繊毛への局在が促進されることが示唆された。
細胞生物学
G蛋白質共役型受容体の繊毛への「搬入」や「搬出」に必要な蛋白質として、Tubby-like protein 3や繊毛病Bardet-Biedl症候群の原因遺伝子産物が報告されている。一方、本研究では、未だ不明な点が多い、特定のG蛋白質共役型受容体が1次繊毛に局在する機構に焦点を当てた。本研究で得られた成果は、小胞輸送において、積荷であるG蛋白質共役型受容体に対するアダプター蛋白質複合体の作用が、特定の受容体の1次繊毛への局在に関与する可能性を示唆するものである。