研究課題/領域番号 |
19K06637
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
久万 亜紀子 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (30392377)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | オートファジー |
研究実績の概要 |
オートファジーは、細胞内における主要な分解システムである。近年オートファジーの生理機能が次々と明らかになる一方で、その分子機構の詳細は未だ不明の点が多い。本研究課題では、Atg5欠損マウス脳抽出液の質量分析により同定されたオートファジー関連候補因子の解析により、オートファジーの分子機構の解明に取り組む。 2019年度は質量分析より得られたオートファジー関連因子候補因子について、局在観察およびノックダウン時のオートファジー活性評価を行い候補因子を絞込んだ。その結果、飢餓時にATGタンパク質と共局在する分子やノックダウンによってオートファジー活性化に影響を与える分子を複数同定した。さらにCIRSPRによる候補因子の遺伝子欠損細胞や安定発現細胞の樹立を行った。現在、ATGタンパク質と相互作用、インタラクトームによる結合タンパク質の同定、ATGの階層における作用点の検討、電子顕微鏡観察などを行いオートファジーへの関与を詳しく調べている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質量分析によるスクリーニングにより得られたオートファジー関連因子候補因子について、局在観察およびノックダウン時のオートファジー活性評価を行い候補因子を絞込んだ。さらにCIRSPRによる候補因子の欠損細胞の作製や安定発現細胞の樹立を行った。ATGタンパク質との関係や相互作用等の詳細解析を行い、計画通りに実験が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
候補因子の機能解析を行う。具体的にはATGタンパク質との共局在、相互作用タンパク質の同定、オートファジーのどのステップに関与しうるかの検討、電子顕微鏡観察などを行い、オートファジーへの関与を調べる。また、線虫を用いて候補因子の機能およびオートファジーへの関与を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
状況:スクリーニングと候補因子の解析を同時進行しているためにスクリーニングがやや遅れた。そのためスクリーニング用の試薬の購入を翌年度に回した。
使用計画:スクリーニング用のsiRNAおよび抗体の費用として翌年度に計上する。また、追加のMS解析費として翌年度に計上する。
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