研究課題
基盤研究(C)
細胞外からのストレスや、遺伝子変異によって生じる構造異常タンパク質は、細胞内でユビキチン化をうけ分解される。分解されきらなかったユビキチン化タンパク質は、細胞核ではなく細胞質の特定の場所に輸送され、隔離されることがわかっていたが分子メカニズムに不明な点があった。申請者は、ユビキチン化タンパク質の核外搬出に関わる新規因子を同定し、輸送基質となっている候補タンパク質を明らかにした。
細胞生物学
本研究により、ユビキチン化タンパク質を核外に搬出するための新たな経路と新たな分子メカニズムが明らかとなった。構造異常タンパク質の発現、ユビキチン化タンパク質の細胞質での蓄積は、がん細胞、老化細胞、神経変性疾患における神経細胞において観察される。このことから申請者の研究成果は、がん、神経変性疾患や老化の理解の手がかりの一つとなり、将来的には新たな治療戦略につながることが期待される。