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2020 年度 実施状況報告書

分裂酵母収縮環のin vitro収縮系を用いたタンパク質の高分解能配向解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K06661
研究機関神戸大学

研究代表者

柏崎 隼  神戸大学, 研究基盤センター, 助教 (70570654)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード収縮環 / ミオシン / 細胞質分裂 / 分裂酵母 / 超解像顕微鏡
研究実績の概要

細胞分裂は単細胞生物ではその増殖に、多細胞生物では発生、成長、個体の維持に必須の生命現象である。細胞分裂は核分裂と細胞質分裂の二つのステップからなり、動物細胞では、分裂面の細胞表層に形成されたアクチンとミオシンIIを主成分とする収縮環の収縮に伴って細胞膜がくびれ込み、細胞質分裂が起こる。収縮環が収縮するためには、筋肉の筋原線維(サルコメア)のように逆平行のアクチン繊維の束と、ミオシンIIの双極性複合体(繊維)が並んでいることが必要と考えられるが、いまだよくわかっていない。本研究は、分裂酵母の収縮環中のミオシンIIがどのように配向しているか、その配向が収縮環の成熟や収縮の進行に伴いどのように変化するかについて、超解像顕微鏡を用いたタンパク質配向解析法の確立を通して明らかにすることを目的としている。
2020年度は、引き続き1)ミオシンII分子の配向解析法の確立、2)収縮環の成熟、収縮の進行に伴うミオシンII分子の配向の変化について調べるための実験材料の作製を進めた。ミオシンII重鎖の頭部(アミノ末端)と尾部(カルボキシル末端)にそれぞれ異なる蛍光タンパク質を融合したものを発現する分裂酵母株を用いるが、これまでは強制発現プロモーターを用いていたため、自身のプロモーターで上記の融合タンパク質を発現する分裂酵母株の作製を試みている。N末端側に蛍光タンパク質を融合するためのコンストラクトとして、なるべく発現量に影響を与えないように、選択マーカーが残らないように設計し、目的の株の取得を試みている。また、コントロールとして、ミオシン以外の収縮環構成因子についても同様のコンストラクトを作製中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

上述のように、自身のプロモーター制御下で融合タンパク質を発現する分裂酵母株を用いて超解像顕微鏡解析を進める予定であったが、思いのほか株の作製に時間がかかっている。CRISPR/Cas9システムを用い、選択マーカーなしで蛍光タンパク質遺伝子を目的の遺伝子の5'末端に挿入することを試みている。

今後の研究の推進方策

引き続き実験材料の作製を行い、目的の株が得られた段階で順次超解像観察を行っていく。並行して他の収縮環構成因子についても同様の解析ができるように株の作製を進める。融合タンパク質が機能的であることは得られた株の表現型を調べることで確認する。また、融合タンパク質が正しく発現しているか、ウェスタンブロッティング等で確認する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍に伴う研究停止や研究時間の削減もあり、研究の進捗が遅れており、実験材料の作製が滞っていることもあり、予定よりも旅費や消耗品費が少なくなった。次年度も実験材料の作製をより効率的に進めるために使用する。

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公開日: 2021-12-27  

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