研究実績の概要 |
私共は培養細胞株・ショウジョウバエを用いた解析により、細胞極性形成を制御する新たな分子メカニズム:微小管-Wnt/PCPネットワークを見出した(EMBO Rep., 2018.)。本研究では、その制御分子である微小管結合タンパク質:Map7、Map7D1に着目して、哺乳類動物の組織形成時における微小管-Wnt/PCPネットワークの機能を明らかにすべく、マウスを用いた解析を実施する。 私共は、Map7D1が軟骨細胞の細胞極性形成に関与する可能性を見出していたが、その研究と並行して、マウス神経芽細胞腫N1-E115細胞を用いた解析により、Map7D1が微小管の安定化に関わるチューブリンアセチル化の維持に関与して細胞運動や神経突起伸長を制御する事を新たに発見した。さらに、同じファミリーに属するMap7D2は微小管に結合して直接的に安定化して細胞運動や神経突起伸長を制御した事から、ファミリー間で機能のダイバーシティが存在する事を明らかにした。本研究成果はLife Sci. Allianceで公表した(4/25、オンライン公開)。
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