研究実績の概要 |
甲状腺ホルモンの二つのアイソフォーム(α、β)のうち、βを破壊した時のみ脊索の退縮が強く抑制される事から(Nakajima et al., 2018)、脊索を外科的に分離する方法を開発し、変態期の脊索で発現量が上昇する遺伝子を解析した。尾の退縮前はαとβの発現量はほぼ1:1であるが、尾の退縮中は1:3まで上昇し、脊索ではこの比が1:8まで大きくなる。さらに、細胞外基質分解酵素であるmmp2, 9-TH, 11, 13, 14の発現量を定量的に調べたところ、mmp9-THとmmp13が変態期の脊索において局所的に発現が誘導されていた。以上の内容を General and Comparative Endocrinology 2019; 277(1): 66-72 に発表した。 退縮前の尾、退縮中の尾、脊索を除去した退縮中の尾からRNAを抽出し、RNA-Seqにより遺伝子発現パターンを比較した。退縮前後の比較により、変態期に発現量が増大する遺伝子群を同定した。また、脊索を除去した退縮中の尾と脊索を含む退縮中の尾の比較により、尾の退縮中に脊索で発現量が多い遺伝子群を同定した。次に、これら二つの遺伝子群の中で共通する遺伝子群を「変態期に脊索で発現量が増大する遺伝子群」と判断した。この解析により、mmp9-TH, mmp13, olfm4, scppa2の4つの遺伝子が、変態期の脊索で発現が誘導され、かつ、多量に発現していることを明らかとした。以上の内容を Comprehensive RNA-Seq analysis of notochord-enriched genes induced during Xenopus tropicalis tail resorption というタイトルで General and Comparative Endocrinology に投稿し、受理された
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