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2019 年度 実施状況報告書

誘導卵胞構築ユニットを用いたマウスES細胞のみからの卵子産生

研究課題

研究課題/領域番号 19K06678
研究機関九州大学

研究代表者

吉野 剛史  九州大学, 医学研究院, 助教 (10749328)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード再構築卵胞 / ES細胞 / オルガノイド / 卵巣 / 誘導生殖巣細胞
研究実績の概要

マウスES細胞から次世代の作出も可能な卵子の産生法を完成させた。
①ES細胞から卵巣の体細胞様の細胞 (iOSCs) の誘導法の発展: 確立した条件を元に、iOSCs誘導に用いる細胞数、代替血清 (KSR)の濃度を検討し、効率よく、安定的な誘導条件を決定し、胎児卵巣体細胞に存在する卵の支持細胞と間質細胞の二種類のサブタイプを生体と同等の割合で分化誘導した。またシングルセルRNA-seq解析によりiOSCsとそれと同等の時期の胎齢10.5-12.5日目のマウス胎児卵巣の体細胞が非常によく似ていることを確認した。
②卵巣オルガノイドを構築する方法の確立:iOSCsと同じくES細胞から誘導された始原生殖細胞様の細胞 (PGCLCs)を凝集培養に供し、効率よく卵胞を構築する卵巣オルガノイドを構築させるための条件を検討した。このために用いるiOSCsやPGCLCsの分化段階および細胞数を検討した。その結果、生体の卵巣とほぼ同等のレベルで多能性幹細胞のみから卵胞を構築できる条件を同定できた。さらにこの再構築卵胞の形成過程も調べ、生体のそれと同様、始原生殖細胞が卵へと分化し減数分裂をへる一方で、誘導体細胞のうち支持細胞の前駆細胞が雌性化し卵を取り囲むのに加え、間質細胞がこれを覆う扁平な莢膜細胞へと分化することを確認した。
③再構築卵胞からの機能的卵の取得:再構築卵胞を体外で成長させるために、基底膜を崩壊させるためのコラゲナーゼ処理の条件を決定した。この卵胞を体外で成長、成熟培養に供し、MII卵を取得した。さらにこのMII卵は体外受精、体外培養により高効率で2cell、胚盤胞へと発生した。2cellは仮親の卵管へ移植すると産仔も得ることを確認でき、多能性幹細胞のみから機能的な卵を得る方法が世界で初めて確立された。また得られた雌雄の産仔からその子供も得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の研究計画では、昨年度は生体と同等のレベルで卵胞を構築する卵巣オルガノイドを作成する方法を確立し、今年度、卵胞を発育させ、ここから卵子を取得し成熟、受精を経て産仔を得る予定であった。
しかし、昨年度中にこれらを全て達成したことから、当初の計画以上に進展していると評価された。

今後の研究の推進方策

昨年度までに本研究で予定した計画は達成された。このため、今後は成果を元に論文を完成させる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Epithelial-to-mesenchymal transition based morphogenesis of dorsal mesentery and gonad2019

    • 著者名/発表者名
      Takashi Yoshino & Daisuke Saito
    • 雑誌名

      Seminars in Cell & Developmental Biology

      巻: 92 ページ: 105-112

    • DOI

      10.1016/j.semcdb.2018.09.002

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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