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2021 年度 実績報告書

誘導卵胞構築ユニットを用いたマウスES細胞のみからの卵子産生

研究課題

研究課題/領域番号 19K06678
研究機関九州大学

研究代表者

吉野 剛史  九州大学, 医学研究院, 助教 (10749328)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード卵巣サブポピュレーション / 誘導胎児卵巣細胞 / マウスES細胞 / 卵巣オルガノイド / 卵胞 / 卵子
研究実績の概要

我々はNr5a1-hCD271を含む生殖巣体細胞マーカーを発現する細胞を雌マウスES細胞から誘導した。しかし、胎児卵巣体細胞と異なり誘導始原生殖細胞 (PGCLCs) と卵胞構造を再構築できない。その理由として、誘導細胞は適切に雌性支持細胞や間質細胞などに分化していない可能性を想定した。そこで、レポーター (Foxl2-tdTomat) や間質マーカー(CD140a)の発現を指標に誘導法を改良した。また、シングルセルRNA-seq解析により誘導細胞と胎齢12.5日目 (E12.5) の卵巣細胞の分化を比較し、誘導細胞は胎児卵巣に存在する卵巣表層の幹細胞、間質前駆細胞、間質細胞、雌性支持細胞(顆粒膜細胞)に分化していることを確認した。この細胞(FOSLCs)と雌PGCLCsにより構築された未分化生殖巣は体外培養により卵巣形成を再現しした。すなわち培養7日目に雌性化し、体細胞はFoxl2-tdTomatoを強く発現する一方、生殖細胞は減数分裂を開始した。その後、培養23日目には顆粒膜細胞は多層化し、間質細胞に由来する扁平な莢膜細胞が付着する生体の二次卵胞構造が再構築された。さらにこの再構築卵胞の機能性も期間内に評価した。再構築卵胞を成長培養に供すると生体卵胞と同様に劇的に顆粒膜細胞は増殖し、その後の成熟培養により膨潤化した。さらにここからは極体を放出した卵子が得られ、世界で初めて多能性肝細胞のみからの人工卵子の作出に成功した。この人工卵子を体外受精させると2細胞に発生し、その後の体外培養により胚盤胞にまで発生した。一方2細胞を偽妊娠マウスの卵管に移植すると産仔が作出された。得られた産仔順調に成長し近親交配により次世代が得られた。以上により多能性幹細胞から機能的な卵子を作出する方法を世界で初めて完成させた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Generation of ovarian follicles from mouse pluripotent stem cells.2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshino T, Suzuki T, Nagamatsu G, Yabukami H, Ikegaya M, Kishima M, Kita H, Imamura T, Nakashima K, Nishinakamura R, Tachibana M, Inoue M, Shima Y, Morohashi K, Hayashi K
    • 雑誌名

      Science

      巻: 373 ページ: 6552

    • DOI

      10.1126/science.abe0237

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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