| 研究課題/領域番号 |
19K06718
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| 研究機関 | 神奈川大学 |
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研究代表者 |
岩元 明敏 神奈川大学, 理学部, 教授 (60434388)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | ゲノム倍数化 / 成長解析 / シロイヌナズナ / FISH |
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| 研究実績の概要 |
本年度は、シロイヌナズナの2倍体及び倍数体シリーズ（4, 6, 8倍体）それぞれについて細胞動力学的手法を用いた根端成長解析を完了した（それぞれ30個体ずつ解析。4倍体と6倍体については2系統解析）。その結果、ゲノム倍数化が高次（6，8倍体）まで進むと、根端成長における細胞体積増大・細胞増殖の両側面で低下が生じることが明らかとなった。
さらに、前年度までの葉肉細胞を対象とするセントロメア領域をプローブしたFISH解析から高次倍数化による成長抑制と染色体動態の関係性が示唆されたため、組織での染色体の束化の空間パターンを直接明らかすることのできる解析手法（Whole Mount FISH）で、シロイヌナズナ倍数体シリーズの根端の解析を行った。現段階では2倍体と4倍体のみであるが、根端の静止中心付近からおおよそ1200マイクロメートルまでの染色体動態を明らかにすることができた。今後、さらに静止中心から離れた位置までの解析を行うと共に、6, 8倍体にも解析を拡張し、細胞動力学的解析の結果との比較を行う。
また、ゲノム倍数化が植物にもたらす普遍的な影響についても明らかにするため、シロイヌナズナと系統的に離れた植物種であるセイヨウニガナ（Crepis capillaris）の倍数体シリーズについても解析を行うことを計画した。まず、セイヨウニガナの根端の観察を行い、シロイヌナズナと同様に根端成長解析が可能であることを確認した。次に、シロイヌナズナと同様に茎頂にコルヒチン処理を行い、倍数化を誘導した。倍数体（4倍体）は作出できたが、採種まではいたらなかった。現在、倍数体シリーズの作出（採種）が可能な育成条件の検討を進めている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
根端成長解析についてはほぼ解析が完了し、予定していたWhole Ｍｏｕｎｔ FISH解析についても2倍体と4倍体について実施することができた。さらに、ゲノム倍数化が成長に及ぼす影響の原因遺伝子を明らかにするためのRNA-seq解析、非モデル植物であるセイヨウニガナを用いた解析についてもほぼ予定通り準備を進めることができた。以上のことから概ね順調に研究が進展していると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
最終年度では、本年度解析手法を確立したWhole Ｍｏｕｎｔ FISH法で、6倍体と8倍体の根端も解析する。そして、その結果を成長解析の結果（成長の空間パターン）と比較し、ゲノム倍数化による成長変化と染色体の動態との関係を明らかにする。
また、準備を進めてきたRNA-seq解析を行う。それと並行して、セイヨウニガナの倍数体シリーズの確立と成長解析も実施する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの影響により、国内外での出張を伴う研究打ち合わせが中止となった。また、大学への入構制限もあり、一部予定通りに解析が進まなかった。これらを次年度に行うため、次年度使用額が生じた。
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