CLE-CLV1-CIKが陸上植物に保存された情報伝達分子として、分裂組織の幹細胞活性を調節することが示唆された。ただし、ゼニゴケCLEは幹細胞領域のサイズ調節で促進的に働くことから、シロイヌナズナ等の被子植物で知られたCLE/CLV3の幹細胞活性抑制性活性とは異なっている。本研究で明らかとなった幹細胞維持促進活性は、これまで報告されていない新たなCLEの機能と考えられる。今後、ゼニゴケCLEの作用機序をより詳細に解析することで、陸上植物に共通の幹細胞維持機構を解明する手掛かりになるとともに、農作物種での収量調節にも貢献するものと期待される。
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