摂食亢進ペプチドであるメラニン凝集ホルモン受容体MCHR1はシグナルハブとして機能する一次繊毛に集積する。本研究では、モデル系で発見した現象を発展させ、以下を明らかにした。①海馬神経分散培養、海馬スライス培養(CA1)、線条体スライス培養、ヒトiPS神経細胞に加え、絶食時の海馬CA1神経においても、繊毛局在型MCHR1を介した繊毛長の縮退が起こることを明らかにした、②MCHR1を介した繊毛縮退に到るまでの新しいシグナルリレー経路を同定した、③ベータアミロイド(Aβ)ノックインマウスでは、アルツハイマー病理進行過程で海馬神経一次繊毛長が伸長しなくなり、Aβは繊毛長縮退作用を持つことを見出した。
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