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2022 年度 実績報告書

形態的可塑性とリンクした行動戦略の多型はどのような神経基盤により生じるのか?

研究課題

研究課題/領域番号 19K06754
研究機関総合研究大学院大学

研究代表者

渡邊 崇之  総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 助教 (70547851)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード性的二型 / 表現型可塑性 / doublesex 遺伝子 / 逃避行動 / 攻撃行動
研究実績の概要

今年度は、まず昨年度実施した RNA-seq 解析のデータ解析を進め、密度効果に依存した脳内遺伝子発現パターンを調査した。本研究では、密度効果に依存して脳内で幼若ホルモンやインスリン様ペプチドなどの内分泌因子の遺伝子発現が変動するだろうという仮説を立てていた。しかし、RNA-seq 解析の結果、密度効果は成虫コオロギ脳の遺伝子発現パターンにそれほど大きな影響を与えないことが明らかとなり、発現変動を示す遺伝子群の中に主要な内分泌因子は含まれていなかった。
昨年度までにコオロギのdoublesex遺伝子がオス化因子であるにも関わらずX染色体に存在することを見出していた。既知の昆虫ゲノム配列を見るとdoublesex遺伝子は常染色体に存在することから、コオロギ類の進化の過程でdoublesex遺伝子がX染色体に転座したことが示唆された。コオロギの属するバッタ目複数種でdoublesex遺伝子がX染色体・常染色体どちらに存在するかを調査したところ、コオロギを含むキリギリス亜目が分岐した段階でdoublesex遺伝子がX染色体に転座したことが明らかとなったほか、この転座がdoublesex遺伝子を含む比較的短い染色体領域の転座で説明できることを明らかにした。
本研究は、コオロギ脳内 doublesex発現ニューロンの形態的多型や闘争行動における役割を解明するとともに、 密度効果に依存して発現変動する内分泌因子がdoublesex発現ニューロンの形態的・機能的可塑性を生み出すかを調査する目的で進めたが、残念ながら密度効果に依存したdsx+ ニューロンの形態的多型や内分泌因子の変動を捉えることはできなかった。しかし、コオロギにおけるdoublesex遺伝子の特異な分子進化を検出することに成功した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 昆虫脳性分化機構の進化を探る ~doublesex 遺伝子の分子進化を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      渡邊崇之
    • 学会等名
      第93回日本動物学会早稲田大会

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公開日: 2023-12-25  

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