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2023 年度 実績報告書

刺胞動物の筋収縮調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06755
研究機関北海道大学

研究代表者

田中 啓之  北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (90241372)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード刺胞動物 / 筋肉 / 収縮調節 / カルシウムイオン / アクチン / ミオシン / ATP / リン酸化
研究実績の概要

筋収縮は筋細胞への刺激に伴う細胞内カルシウムイオン濃度の変化によって調節される。ほとんどの動物種の横紋筋では、カルシウムイオンはアクチンフィラメント上のトロポニン-トロポミオシンに結合し、アクチン-ミオシン相互作用を促進することで筋収縮を引き起こす。しかし、刺胞動物にはトロポニンの遺伝子が存在せず、筋収縮調節機構が不明であった。
ミズクラゲの横紋筋から抽出した天然アクトミオシンには、横紋筋・平滑筋ハイブリッド型ミオシン、2種類のアクチン、2種類のトロポミオシン、Ser/Thrキナーゼ、パラミオシンが含まれているが、トロポニンは含まれていないことを以前報告した。
本研究で明らかにした新規知見の概要は以下の通りである。
(1)ミオシンの必須軽鎖に既報のものとは一次構造の異なるアイソフォームが存在している。また、新規のカルシウムイオン結合タンパク質AaCBPが微量ながらミオシンフィラメント上に存在する。(2)アクチンの2つのアイソフォームは発現比率が組織によって異なっている。(3)筋組織から精製したSer/Thr-キナーゼはヌクレオチドを結合しており、また、それ自体がリン酸化されている。リン酸化部位はC末端側の領域にある。Ser/Thrキナーゼはアクチンまたはミオシンにカルシウムイオン依存的に結合・解離する性質があり、それが筋収縮の調節に関わっている可能性がある。(4)筋肉のホモジェネートを収縮または弛緩の条件としてもSer/Thrキナーゼを含め、リン酸化状態が変化するタンパク質は確認されない。(5)トロポミオシンの2種類のアイソフォームのうちトロポミオシン2が様々な組織に普遍的に存在し、トロポミオシン1はさらに3つのバリアントが組織特異的に発現している。また、トロポミオシンはアクチンフィラメントに結合し、アクチン-ミオシン相互作用をわずかに活性化する。

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公開日: 2024-12-25  

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