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2022 年度 実績報告書

新たに発見した視床下部小タンパク質による熱産生低下機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06768
研究機関広島大学

研究代表者

岩越 栄子  広島大学, 統合生命科学研究科(総), 特任准教授 (50311296)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード分泌性小タンパク質 / 脂肪蓄積 / 褐色脂肪組織 / 視床下部
研究実績の概要

我々は鳥類のニワトリや哺乳類のげっ歯類において80アミノ酸残基からなる新規分泌性小タンパク質neurosecretory protein GL(NPGL)を見出した。哺乳類を用いた先行研究からNPGLが白色脂肪組織における脂肪蓄積を促すことを見出している。本研究では、褐色脂肪組織の機能低下を介した熱産生低下の可能性を検討することを目的としている。
これまでの研究遂行から、NPGLが褐色脂肪組織の脂肪合成を高めることで白色化し、そのことが原因で熱産生能の低下を導いている可能性が示唆された。実際にウィスター系統ラットで体温低下が生じていることを明らかにした。加えて、C57BL/6系統マウスを用い、熱産生低下機構の神経回路網を明らかにする研究を進めた。その結果、約50%のNPGL産生細胞がGABA作動性神経細胞であることが分かった。さらに、NPGL神経線維は摂食抑制ニューロンのPOMCニューロンに投射していることを見出した。このことから、NPGL産生細胞はPOMCニューロンを介して熱産生を低下させていることが示唆された。
令和4度は、これまで進めてきたウィスター系統ラット、C57BL/6系統マウスに加え、ICR系統マウスを用い、NPGL遺伝子過剰発現トランスジェニックマウスの作製と表現型解析を進めた。CMVプロモーターとβグロブリンイントロン配列の下流にNPGL遺伝子を繋いだベクターを用い、トランスジェニックマウスを作製したところ、視床下部領域で野生型マウスに比べ約4倍成熟NPGLを産出するラインを得た。生後26週目まで解析を行ったところ、摂食量の増加は認められなかったが体重が有意に増加した。体重増加は白色脂肪組織の増加によることが明らかとなった。さらに、褐色脂肪組織での白色化も認められた。これらの結果から、エネルギー消費量を低下させ、熱産生を下げている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Neurosecretory Protein GL Promotes Normotopic Fat Accumulation in Male ICR Mice2022

    • 著者名/発表者名
      Narimatsu Yuki、Matsuura Daichi、Iwakoshi-Ukena Eiko、Furumitsu Megumi、Ukena Kazuyoshi
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 23 ページ: 6488~6488

    • DOI

      10.3390/ijms23126488

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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