尾索動物カタユウレイボヤのプロテアーゼ遺伝子の3’非翻訳領域のアンチセンスRNA翻訳産物「PEP51」を、抗体カラムによるアフィニティー精製、各種HPLC精製および質量分析により、PEP51の理論分子量と一致する分子量ピーク、およびトリプシン処理断片の分子量ピークを50匹ホヤ卵巣抽出液から検出し、asRNA翻訳産物の存在を確実なものとした。さらに、抗PEP51抗体を用いた免疫染色によって卵黄形成終了期卵胞で複数のテスト細胞に発現を検出し、免疫電顕法では、崩壊するテスト細胞の細胞質に局在することを突き止めた。この局在から、PEP51は、ペプチドホルモンなどとは異なり、細胞内部で作用すると考えられた。PEP51が内部崩壊しているtest細胞に局在が目立つことから、細胞死を介した卵胞の成長や成熟に関連することを強く示唆する結果を得た。
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