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2020 年度 実施状況報告書

アブラナ科植物における優劣性制御機構および起源の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06781
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

和田 七夕子  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (50379541)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード植物 / 生殖 / 自己認識
研究実績の概要

1)在来ナタネにおける優劣性機構の解明
アブラナ科の自家不和合性を決定する花粉側因子における優劣性制御機構の解析を進めた。花粉側因子であるSP11には、Sハプロタイプ間における複雑かつ階層的な優劣関係が存在する。塩基置換を有する改変型低分子RNAを導入した形質転換在来ナタネを用い、低分子RNAの標的となるSP11の発現抑制について検証を進めた。その結果、過去にモデルとして提唱した通り、低分子RNAと標的配列との相同性が重要であることを実験的に検証できた。これに加えて、低分子RNAと標的配列における特定の塩基対の相同性が重要である可能性が予想された。また、これまで注目してきた標的配列と似た配列が、SP11上流領域に繰り返し配列として存在する。この第二の標的配列に対しても、DNAメチル化状態および標的配列との相同性について詳細な解析を進めている。
2)近縁種における優劣性制御モデルの検証
在来ナタネと同じアブラナ科に属するミヤマハタザオについても、在来ナタネと同様にSP11の優劣性制御機構が存在する。解析を進めた結果、ミヤマハタザオにおいても低分子RNAと標的SP11との組み合わせによる優劣性制御機構の存在が予想された。今年度は、優劣性機構を制御すると予想するミヤマハタザオの低分子RNAに注目した解析をおこなった。24塩基長の低分子RNAおよびその前駆体について発達段階特異的な発現解析をおこない、発現様式を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1)在来ナタネにおける優劣性機構の解明
本年度までに複数のSハプロタイプにおける形質転換植物を得ており、改変型低分子RNAとその標的となる様々なSP11との組み合わせが得られている。これらについて解析を進めた結果、低分子RNAとその標的配列において、ある一定以上の相同性の高さを示す場合に加えて、特定の塩基が相補的である場合に標的SP11が劣性となることを見出した。
2)アブラナ近縁種における優劣性制御モデルの検証
優劣性を制御すると予想する低分子RNAに注目して研究を進めた。その結果、実際に前駆体が転写されていることと、24塩基長の低分子RNAとしてプロセシングされていることを明らかにした。

今後の研究の推進方策

1)在来ナタネにおける優劣性機構の解明
標的SP11の上流には低分子RNAと相同性を示す繰り返し配列が存在する。この領域についても低分子RNAの標的となる可能性があるため、DNAメチル化および低分子RNAとの相同性について詳細な解析を進める。
2)アブラナ科における優劣性制御モデルの検証
シロイヌナズナ形質転換体を用いて、制御モデルの検証を引き続き進める。また、近縁種野生株とシロイヌナズナ形質転換体とを比較し、導入株において近縁種野生株と同様の発現様式を示すかを検討する。

次年度使用額が生じた理由

研究計画の変更により、当初の計画よりも次年度で予算を使用する必要があったため繰り越しした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 改変型低分子RNAを導入したアブラナ科植物における自家不和合性花粉側因子の優劣性の変化2020

    • 著者名/発表者名
      小林 利紗、和田 七夕子、片岡 修、柴 博史、高山 誠司、伊藤 寿朗
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] epiQTL解析およびRNA-seqにより見出された胚乳発達で機能するインプリント遺伝子の機能解析2020

    • 著者名/発表者名
      下保 瑶己, 山田 慧士朗, 山口 翔, 山口 京, 和田 七夕子, 高山 誠司, 伊藤 寿朗
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] シロイヌナズナ系統における雑種強勢についての子葉サイズおよび細胞数の解析2020

    • 著者名/発表者名
      井阪 阿怜, 布平 竜也, 和田 七夕子, 羽根 佑樹, 高山 誠司, 伊藤 寿朗
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会

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公開日: 2021-12-27  

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