• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

円口類胚を用いた脊椎動物頭部骨格筋の進化的起源の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06787
研究機関福井大学

研究代表者

尾内 隆行  福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (20617279)

研究分担者 菅原 文昭  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00611005)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード分節性 / 頭部形態進化 / 電子顕微鏡 / 円口類
研究実績の概要

ヤツメウナギの頭部中胚葉と体節の進化的関係性を明らかにするために、光学切片および、透過型電子顕微鏡切片の作成を行い、組織の形態観察を進めている. stage25およびstage26の観察では、顎骨中胚葉に空所を発見した. この空所は、これまで言われていた頭部中胚葉の腔と似ているが、内部に複数の細胞が分布しており、また開口部があることから、体節にみられる腔とは、異なると考えられる. 舌骨中胚葉は、この時期細胞塊を作っておらず、この細胞が点在していた.その外周には、コラーゲンと思われるECMが大量に分布していた. これまでの形態観察では、この時期に舌骨中胚葉領域に分節がみられるとされていたが、今回の観察から、そのような細胞形態は存在しないと示唆される. stage20の観察では、頭部中胚葉の細胞が不均一な形状をもち、体節にみられるような中心をもち、そこから放射状の細胞が並ぶ、いわゆるロゼッタ形態を持っていないことが示唆される. 一方で頭部中胚葉、体節共に周辺をコラーゲンと思われるECMによって囲まれていた. これらのことは、頭部中胚葉と体節で同じようなECMによって囲まれている状態をもち、一方で細胞の配置に関しては、異なることが示唆される.このようにこれまで頭部中胚葉の個体性は、体節と異なるという仮説と、体節と同じであるという仮説両方が提出されていたが、今回の結果は、両者の共有する個性が明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた電子顕微鏡での観察が順調に進んでいる.

今後の研究の推進方策

引き続き、電子顕微鏡によるヤツメウナギ頭部中胚葉の観察を進め、体節の形態と比較することにより、頭部中胚葉にある分節性に関して答えを提出する.

次年度使用額が生じた理由

今年度は電子顕微鏡での観察・解析業務を主とし、試薬等の購入が少額だったため。また、新型肺炎ウイルス感染拡大に伴い学会参加、試料採集・打合せが中止のため次年度使用額が生じた。繰越金は次年度の試薬・消耗品購入及び旅費に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 超微細構造解析によるヤツメウナギ頭部中胚葉における分節要素の探索2020

    • 著者名/発表者名
      尾内 隆行
    • 学会等名
      日本発生生物学会
  • [学会発表] 円口類と脊椎動物頭部の形態進化:中胚葉分節の存在について2019

    • 著者名/発表者名
      尾内 隆行
    • 学会等名
      日本動物学会中部支部大会
  • [学会発表] Mesoderm formation in lampreys and the evolution of the vertebrate head2019

    • 著者名/発表者名
      尾内 隆行
    • 学会等名
      Panam Evo-devo 3rd meeting
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi