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2021 年度 実績報告書

円口類胚を用いた脊椎動物頭部骨格筋の進化的起源の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06787
研究機関福井大学

研究代表者

尾内 隆行  福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (20617279)

研究分担者 菅原 文昭  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00611005)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード頭部分節性 / 脊椎動物 / 中胚葉 / 脊索動物
研究実績の概要

本研究課題では、脊椎動物頭部中胚葉が、脊索動物の祖先からいかに進化したのかを明らかにするために、初期脊椎動物の形態を保持していると考えられる円口類ヤツメウナギの発生学的研究を行なった。まずレーザー顕微鏡により、頭部中胚葉の組織形態を観察した結果、体幹部に見られる体節に生じるロゼッタ形態に似たパターンを顎骨、舌骨中胚葉に発見した。そこで、このロゼッタ形態に似たパターンの詳細を調べるために、電子顕微鏡を用いた構造解析を行った。その結果、これらの頭部中胚葉ロゼッタ様パターンは、細胞の間に多くの空所を含み、無定形の形状をしたものが不規則に並んでいることがわかった。つまり、これらの形態は体節ロゼッタとは大きく異なることが示唆される。さらにより後期の胚において、ロゼッタパターンが見られるかを調べたところ、upper lipとvelum mesodermにロゼッタパターンが見つかった。これらのロゼッタは、体節ロゼッタと比べたところ、半分程度の大きさで、細胞数も少なかった。また形成に関わる遺伝子群として、体節で使われるfgf, RA, wnt, Notch関連の遺伝子群はみられなかった。また、背側の中胚葉に発現するpitxもみられなかった。よって頭部中胚葉に見つかったロゼッタは、体節のそれとは異なるタイプであることがわかった。

次に脊椎動物の頭部中胚葉形成が脊索動物の祖先においてすでに成立していたかを調べるため、外群として、半索動物ギボシムシ の中胚葉遺伝子の発現を解析した。その結果、この動物では、頭索類ナメクジウオ の様な遺伝子発現が観察された。このことは、祖先的脊索動物の中胚葉形成機構が、ナメクジウオ に似たものだということを示唆している。これらのことから、脊椎動物の頭部中胚葉形態は、この動物群において生じた新規の構造であることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ロゼッタ中胚葉からわかった脊椎動物頭部の進化2021

    • 著者名/発表者名
      尾内 隆行
    • 学会等名
      日本分子生物学会

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公開日: 2022-12-28  

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