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単細胞ホロゾアは、動物に最も近縁な単細胞生物の一群である。単細胞ホロゾアの研究により、動物の多細胞化の仕組みに迫ることができる。単細胞ホロゾアから発見された「多細胞性遺伝子」（動物で多細胞体制の構築に使われているにもかかわらず、単細胞ホロゾアが持っている遺伝子）が作る３つのシステム、RTK（受容体型チロシンキナーゼ）シグナリング、Notchシグナリング、ラミニン様構造の単細胞体制における役割を明らかにすることを目標に研究を進めた。RTK下流に位置していると考えられるMAPキナーゼの核移行を指標に、単細胞ホロゾアのリン酸化シグナルの役割に迫った結果、細胞の栄養状態によってMAPキナーゼの状態も変化することを突き止めた。Notchについては、特異的抗体を作成し、抗体染色によって細胞周囲の環境とNotchタンパク質の局在との関連を明らかにした。最後にラミニン様遺伝子については、動物モデルを使用した実験の結果、このタンパク質はカプサスポラだけでなく、多くの動物細胞の表面に強く結合する性質をもつことを明らかにした。
単細胞ホロゾアの遺伝子操作に関する技術的な進展としては、ついに安定的な形質転換細胞の作出に成功した。また、CRISPRiがワークする可能性を強く示す結果を得た。
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