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2021 年度 実績報告書

宿主や繁殖様式の変化が介在した全寄生植物キヨスミウツボの遺伝的分化過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06816
研究機関ふじのくに地球環境史ミュージアム

研究代表者

早川 宗志  ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 准教授 (80783828)

研究分担者 末次 健司  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (70748839)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードMIG-Seq / 寄生植物 / キヨスミウツボ / 倍数性
研究実績の概要

過去2年間の調査において倍数性が明らかにできていなかった静岡県産のキヨスミウツボサンプルについて、フローサイトメトリーを用いて調査した結果、2倍体であることが明らかになった。さらに、現地の生態調査から、静岡県の2倍体集団にはトラマルハナバチが訪花していることを確認した。既報(中西ほか 2006)では、六甲山のキヨスミウツボ個体群(2倍体集団)にトラマルハナバチが多数訪花していることを報告している。そのため、トラマルハナバチが訪花するという本結果は、地理的に離れた集団においても一致していた。
3年間で得られたMIG-Seqおよび倍数性の結果を照合すると、キヨスミウツボは遺伝的に大きく3つのクレードに分かれる傾向が見いだされた。そして、各クレードは、地理的な距離に由来する地域性よりもむしろ、2倍体、3倍体、4倍体という倍数性が対応していたことが明らかになった。
既報(中西ほか 2006)により、これまで3倍体は、2倍体と4倍体の交雑によって生み出されていると考えられてきた。しかし、MIG-Seqの結果から、3倍体は単純な交雑起源では説明できない遺伝的特性を持っていたことが明らかになった。さらに、国内の複数地域から3倍体を得ることができた。
以上の本研究で明らかになった事実から、2倍体、3倍体、4倍体の各々が独自の系統として種分化し始めている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 大分県産ハマネナシカズラの標本を見いだす2022

    • 著者名/発表者名
      藤井伸二・早川宗志・辻 寛文
    • 雑誌名

      植物分類・地理

      巻: 70 ページ: 85;88

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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