研究課題/領域番号 |
19K06818
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大原 昌宏 北海道大学, 総合博物館, 教授 (50221833)
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研究分担者 |
小林 憲生 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00400036)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 生物地理学 / 甲虫 / 海浜性 / 分類学 / 系統 |
研究実績の概要 |
現地調査について:2020年8月25日から31日まで、カルフォルニア州北部28箇所、オレゴン州5箇所において、海浜性昆虫類のサンプリングを行い、6科約40種の甲虫類を採集することができた。参加者は、大原昌宏(代表者)、小林憲生(分担者)、能瀬晴菜(共同研究者)、鈴村リーアリサ(共同研究者)の4名である。これまでの調査研究と今回のサンプリングを合わせることで、カルフォルニア北部からカナダ、アラスカに至るアメリカ西海岸の車などで容易にアプローチできる海岸線の調査をほぼ終えたことになる。今回の調査では、特にキノカワムシ科イワハマムシ属、ゴミムシダマシ科コホネゴミムシダマシ属、ガムシ科ケシガムシ属の種、すなわち、日本沿岸から北米西海岸へ分布を広げている本研究のターゲット種について、形態学、DNA分析用のサンプルが十分に採集されたことは大きな研究の進展となった。また群集構成種のリスト作成については、本年はカルフォルニア北部を広く調査したことから、面的な分布図を描くには十分なサンプリングが達成できたが、一地点で時間をかけた網羅的な全構成種調査は行えなかった。 オレゴン博物館において、標本調査も予定されていたが、先方の学芸員の都合により、残念ながら、標本調査は実施できなかった。 採集されたサンプルは、形態学・分類学用の針刺し標本、DNA解析用のアルコール液浸標本に分け、標本作製を終え、北海道大学総合博物館に保管されている。 研究発表について:ガムシ科ケシガムシ属については、アメリカ大陸の種について分類学的な整理を行い、論文とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査については、4名で参加し、十分なサンプリング地点とマテリアルが得られたことから、順調に進んでいる。採集された標本は、すでに9割が針刺し標本の状態になっており、ハネカクシ科など一部未同定のものが残っているが、属レベルまでの分類はほぼ終了している。DNA解析は、特にイワハマムシ属の種について、実施している。 研究発表については、論文が1本発表となり、本年の調査結果を踏まえ、来年度に発表すべき論文、学会発表の内容が整い始めているため、順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査を、夏期に予定している。日本とアメリカ西海岸の海浜性昆虫群集の特に種構成比較を行うため、海外ではオレゴン州あるいはワシントン州の2地点で、数日をかけて1地点の採集を網羅的に行う調査を実施する。特に食物網記載を念頭におき、潮間帯から内陸にかけて、パッチ状の群集サブグループを認識し、そのサブグループ内での食う食われる関係を詳細に調査する。さらにサブグループ間の生物移動を確認し、海浜全体の食物網関係の記載を行う。国内においては、北海道石狩浜、鵡川海岸で海外調査と同様の調査を行い、アジアーアメリカ間での群集比較、食物網関係比較を行う。しかしながら、COVID-19による野外調査、海外調査が制限される可能性が高いことから、その場合は、国内外の博物館内に収蔵された標本を用いて、全群集種構成のリストの充実を図り、さらに形態学的記載分類研究に集中する。DNA解析についてはフレッシュな標本を必要とするため、制限が厳しい場合には翌年に実施することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2月、あるいは3月中に研究打ち合わせのため、埼玉県へ出張の予定であったが、COVID-19の影響で中止となったため次年度使用と切り替えた。
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