褐藻類から採集されたキクイムシの系統解析とSDAを行い,食性に対応した3つの系統に分かれ,各系統内で複数の系統に細分され,8MOTUに分化していることが判明した. 祖先分岐点のホストと分布海域の推定を行い,太平洋にいたジェネラリストの祖先から,特定の科に特化した系統が分かれ,各系統の中で太平洋の東西や日本海で分化がおきていることが推定された. 消化酵素の解析の結果,ヘモシアニンが非常に高く発現し,糖質販連酵素ではGH7とGH16が多く発現していることが明らかになった. GH16には褐藻の同化産物であるラミナランを分解する酵素が含まれ,ラミナランの分解に適応して発現量が増大したと考えられる.
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