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2022 年度 実績報告書

ワーカー産卵抑制とシグナルとしての体表炭化水素の進化

研究課題

研究課題/領域番号 19K06836
研究機関岐阜大学

研究代表者

土田 浩治  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (00252122)

研究分担者 岡本 朋子  岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (50588150)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードワーカー産卵 / ポリシング / 女王フェロモン / 体表炭化水素 / 親子解析
研究実績の概要

フタモンアシナガバチの卵の移植実験を行った。空のセル内に人工的に作ったセルを挿入し、そこに産卵された卵を回収し、他のコロニーの空いたセルの中に挿入した。卵の移植後、一週間程度経過したセルを回収した。移植後の行動はビデオカメラで録画して、卵が除去されるかどうかを記録した。ビデオ観察ではすべての卵が移植後1時間程度で除去されることが明らかとなった。また、親子解析をするために、回収したセルに付着している卵や幼虫からDNAを回収し、コロニーメンバーとの遺伝子型をマイクロサテライト12遺伝子座で比較した。その結果、47卵が他コロニーへの移植に成功し、25.53%(12/47)の卵が生存し、その75%(9/12)が特定のコロニーに由来することが明らかとなった。この結果は、他コロニー由来の卵は自身のコロニーの卵と区別されており、多くの卵が自身のコロニーメンバーによって卵が置き換わっていることが明らかとなった。また、特定のコロニー由来の卵が生き残りやすいことも明らかとなり、卵の体表炭化水素にコロニー間変異が存在し、強いシグナルをもつコロニーが存在することを示唆していた。これまでの結果から、女王由来の卵は生存しやすいことが分かっていたので、以上の結果から、卵に付着する体表炭化水素には、コロニー由来の成分と女王由来の成分が混合しており、後者に関して強い成分をもつ女王が存在することが明らかとなった。このことは、女王のフェロモン成分にも個体間差が大きいことを示唆している。

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公開日: 2023-12-25  

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