昨年度に引き続いてコロナ禍で海外への渡航が制限され、申請段階での調査地だったインドネシア(西ジャワ州パガンダラン自然保護区)での調査が実施できなくなったため、日本国内(宮城県石巻市金華山島)での調査に切り替え、同様のテーマで調査を実施した。 2021年4月から2022年年3月にかけて計11回、金華山島を訪問して野外調査を行った。同島に生息するニホンザルの糞を採集して持ち帰り、研究室でプラスチック製のビーズ(4種類、いずれも白色)を埋め込み、地上に設置して糞虫類(センチコガネ類、エンマコガネ類)に自由に処理させた。翌月に、糞を設置した場所を掘り返し、ビーズが埋まっている場所を確認することにより、糞虫類による種子の埋め込み能力を定量的に評価した。糞虫類による埋め込みが種子の発芽・成長に及ぼす影響を評価するため、2021年11月に野外発芽実験を開始した。これは来年度も継続予定である。げっ歯類に関しては、2022年3月にシャーマントラップを用いた捕獲を予備的に実施した。 野外調査と並行して、データの解析と論文執筆を行った。本年度は9編の学術論文(和文3、英文6)を公表することができた。学会発表は8回行った。
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