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2020 年度 実施状況報告書

ナメクジ類における種構成変化の要因解明にむけて

研究課題

研究課題/領域番号 19K06852
研究機関京都大学

研究代表者

宇高 寛子  京都大学, 理学研究科, 助教 (60534609)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードナメクジ / 外来種 / 分布
研究実績の概要

日本で広くみられるナメクジ類の種は、100年ほどの間に少なくとも2度変化している。しかし、このような変化について研究されることがなかったため、その過程や原因の解明は進んでいない。本研究では種構成変化の要因を探ることを目的とし、現在でも多くの地域で見られる在来種のナメクジと、1950年代に移入したと考えらえている外来種のチャコウラナメクジを対象に研究を行っている。
当該年度は、主に外来種チャコウラナメクジについて実験を進めた。2020年春に京都市内でチャコウラナメクジが観察された場所のうち、13か所を観察場所として選んだ。2週間に1度、生息場所の環境(個体数、他のナメクジ類や無脊椎動物の有無、温度、湿度)について13か所すべてで記録した。いずれの場所でもチャコウラナメクジ以外のナメクジ類は観察されることはなかったことから、少なくともチャコウラナメクジが隠れ場所として好む環境は、ナメクジが好むものとは異なっている可能性が示された。
ナメクジ類は湿度の低い昼間は石や落ち葉、人工物などと地面の間といった、湿度が保たれた場所で過ごす。このような隠れ場所の選択が、分布や種間競争に影響しているかを明らかにするため、まずチャコウラナメクジの乾燥耐性を調べた。シリカゲルを用いて、低湿度状態を作った。野外で採集したさまざまな成長段階の個体で実験したところ、体重や成熟、未成熟に変わらず低湿度に24時間曝した場合でも死亡率は0であり、本種は高い乾燥耐性を持つことがわかった

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究課題では、外来種チャコウラナメクジと在来種ナメクジの2種を対象とし、生息場所の選好性や乾燥耐性といった生理学的な特性の比較を行うことを予定していた。チャコウラナメクジでの実験は比較的予定通り進んでいる。しかし、在来種ナメクジは、実験の遂行に必要な個体数の確保ができず、予定していた実験を行えていない。そのため、進捗状況はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

在来種ナメクジでの実験を進めるために、まず野外採集により個体数を確保する。成長した個体が採集できれば、研究室で飼育を行い次世代を得る。成熟個体を得ることが難しい場合は、野外で採集した未成熟個体でのみ実験を行う。チャコウラナメクジを対象とした実験は計画通り行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染拡大のため、参加を予定していた学会等が中止や延期、またはオンライン開催となった。そのため旅費を支払うことがなく、計上した金額との差が生じた。次年度も旅費を伴う学会参加は行われない可能性が高い。その場合は、在来種での実験へ使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] チャコウラナメクジと生息場所を競合する生物の探索2021

    • 著者名/発表者名
      大和田光一、宇高寛子
    • 学会等名
      第61回日本応用動物昆虫学会大会

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公開日: 2021-12-27  

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