日本のナメクジ類においても最も一般的に見られる優占種は、外来種の移入によりほんの 100年程度の短期間に2度も入れ替わるという、他の生物では見られない現象が起こっている。しかし、その過程や原因の解明は全く進んでいない。本研究では明治以前に一般的に見られていた在来種のナメクジと、1950年代に移入し現在日本中に分布しているチャコウラナメクジに注目し研究を行った。野外環境における生息環境の比較、飼育下での観察を行った。その結果少なくとも本研究で対象とした2種においては、生息環境の嗜好性に違いがあり、このことが遠因となって優占種の変化が起こったと推測れた。
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